11月10日、有馬圭亮ピアノリサイタル「左手のバッハと現代曲」が行われました。ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、有馬さんは昨年までここ牧落倶楽部のスタッフでした。今回は「おかえりなさい」という懐かしい気持ちでお迎えしました。

有馬さんは北海道長沼町の文化振興事業にアーティストとして取り組まれており、ちょうど一年くらい前に大阪から移住されました。丘の上の素敵なおうちにお住まいで、大自然の中での生活を存分に満喫されているそうです。北海道を拠点に東京など各地でコンサートに出演されるなど、精力的に音楽活動を展開されています。

さて、今回のリサイタル、まずはJ.S.Bach 田中博幸・高久弦太編 「左手のための24の小前奏曲」から始まりました。この曲はバッハが作曲した訳ではなく、もしバッハならこのように作曲したであろう、との観点から現代作曲家が作った曲だそうです。何も知らずに聞くと、バッハかな?バッハだよね(確信!)となりそうです。この45分ほどの長大な難曲をじっくりと語りかけるように弾き切り、しかも聴衆を最後まで惹きつけて離さないさすがの演奏でした。後半の現代曲3曲もそれぞれの魅力をしっかり捉えた説得力のある演奏で、ともすれば敬遠しがちな現代曲ですが感動を持って聴かせていただきました。
それと今回特に感銘を受けたのが、その音色の素晴らしさです。元々柔らかく温かい素敵な音を出される有馬さんですが、新しいベーゼンドルファー280VCとすぐに仲良くなられたもようで、このピアノの長い弦を余すことなく響かせて、多彩な音を引き(弾き)出されていました。その美しい豊かな響きにみなさん大いに癒されたのではないでしょうか。

演奏後は有馬さんに会いに集まったみなさんとのほっこりタイムとなりました。そんなお客様の中に、一枚のお写真をお持ちくださった方がいらっしゃいました。とあるピアノの会でのお写真だそうで、そこには当時19才のかわいい有馬さんが!そんなお宝写真も見せていただきつつ、アットホームな雰囲気の中で余韻を楽しむ素敵な時間となりました。いかに有馬さんが愛されているかを、改めて感じることができました。ちなみにその老若男女から愛される特殊能力(⁉︎)は北海道でも大いに発揮されているようで、周りの農家さんたちから新鮮なお野菜のお裾分けが届くそうです♡

後日有馬さんから、「安心してのびのび演奏できました」とのお言葉をいただき、牧落倶楽部が有馬さんにとって落ち着けるホームグランドのような場に思ってもらえたのかしら、と一スタッフとして嬉しく思いました。有馬さんまた帰ってきて演奏してくださいね。心よりお待ちしております。
11/10 有馬圭亮ピアノリサイタル「左手のバッハと現代曲」より