都市の音楽史「ウィーン」ではハプスブルク近代史がご専門の大津留厚先生と、音楽文化史・音楽美学がご専門の大田美佐子先生のお二人に、それぞれのご専門の視点からウィーンの社会、文化、音楽についてお話しいただいております。ウィーンと聞いて皆様が思い浮かべるものは何でしょうか?
この街がなぜ「音楽の都」と呼ばれ、どのような歴史と社会の流れの中で特有の音楽文化が育まれてきたのか、歴史を紐解くと少し答えが見えてくるかもしれません。
第2回目はちょうど大田先生がウィーンに滞在中とのことで、今の姿と歴史で語られるウィーンの街とを比べながら遠い異国の地、時代を旅してみたいと思います。

§第2回 <19世紀後半/音楽都市ウィーンの成長〜現代に繋がるウィーンの街の姿と多様性>

帝国の首都としてウィーンが持っている機能、そしてその中で展開されてきた「ウィーンの音楽」との関係を探ります。皆様が「ウィーンらしい」と感じる様々な音楽の特徴はどのような街の状況、社会情勢から培われてきたのでしょうか。軽やかさをまず思い浮かべる方も多いウィーンの音楽には人々の生活に根差した力強さがあります。その背景を探ってみましょう。

~ ウィーン大改造 ~

 1869年5月25日、新築のオペラハウスのこけら落としが皇帝陛下臨席のもとで開かれた。それはウィーンを取り囲む市壁を解体し、そのあとに環状道路を設置し、その道路沿いに公共施設とアパート群を建設するウィーン市大改造の一環だった。ここではウィーン大改造の意味を問い直す。[大津留厚先生]

~ ウィーン気質の音楽 – ビーダーマイアーと音楽 ~

ウィーンよりビーダーマイアーと音楽に関連する場所をご案内できたらと考えております。「今」のウィーンを感じていただけるような内容にしたいと思います。[大田美佐子先生]

  

【日時】2023年9月17日(日) 14:00 ~

【会場】牧落倶楽部サロン

【料金】4,500円

【講師】大津留 厚・大田美佐子

【お願い】
・サロンへは高校生以上の方にご入場いただけます。
・ご予約確定後のキャンセルはご遠慮下さい。
・感染症拡大の状況によりマスクの着用をお願いする場合がございます。

*第3回 2023年11月19日(日)14:00 ~ <19世紀末~20世紀/世紀末に生きた音楽家の葛藤とゴドフスキーの作品>【講座と演奏】も同時にお申込を承っております。

*第1回目にお越しになれなかったお客様にはこちらの記事もご参考にどうぞ。

【プロフィール】

講師:大津留 厚(おおつる あつし)

東京大学大学院社会学研究科国際関係論専攻博士課程単位取得退学。
大阪教育大学助教授、神戸大学教授を経て、現在、神戸大学名誉教授。
国際学修士。
専門はハプスブルク近代史。

講師:大田 美佐子 (おおた みさこ)

東京藝術大学音楽学部楽理科で音楽学を、学習院大学大学院人文科学研究科でドイツ演劇を学ぶ。 ウィーン大学大学院人文学研究科博士課程修了(音楽学)。ハーバード大学音楽学部客員研究員など。現在、神戸大学大学院人間発達環境学研究科准教授。専門は音楽文化史・音楽美学。
訳書にフランツ・エンドラー著 『ウィーンっ子によるウィーン音楽案内』(音楽之友社, 2002)など。2022年には多様な音楽劇の作曲家としてクロスオーバーに活躍した作曲家の評伝『クルト・ヴァイルの世界 ー 実験的オペラからミュージカルへ』(岩波書店)を上梓。

【イベント】9月17日(日)都市の音楽史(1)「ウィーン」 第2回 <音楽都市ウィーンの成長>