昨年11月より開催して参りました“ハプスブルク”講座、第5回目(最終回)のご案内です。

多民族国家としてのハプスブルク帝国の在り方から始まり、前回はそのミニチュア世界とも呼べる日本の青野原にあった捕虜収容所についてのお話まで伺いました。軍人として遇された収容所の人々の文化的な生活も垣間見ることができましたが、戦場で右腕を失い、ロシアで抑留されたパウル・ヴィトゲンシュタインの場合はどのようなものだったのでしょうか。

ハプスブルク史研究者である大津留厚先生と牧落倶楽部のスタッフでもある左手のピアニスト有馬圭亮氏とを引き合わせるきっかけともなった音楽家ヴィトゲンシュタイン、その存在と生き様がなければ本講座も実現しなかったかもしれません。
遠く離れているように思える時代や国であってもどこかで必ず繋がっているのだと感じ、それが歴史を知ることの面白さの一つなのかと思います。
今回は牧落倶楽部ではおなじみの左手のピアニスト有馬圭亮氏の演奏を通じて、大切な右腕を失いながらもピアニストとして生きたヴィトゲンシュタインの世界をご体感ください。

今回もサロンよりオンライン同時配信を行います。ご都合に合わせてお申込ください。

ピアニストのパウル・ヴィットゲンシュタインは、世界大戦が始まると対ロシア戦線で負傷して右腕の切断手術を受けたあと、ロシア軍の捕虜になった。パウルは収容所で左手のピアニストとして生きていくために必死の修練を積んだ。そこに左手のピアニスト有馬圭亮氏とハプスブルク史との出会いがあった。

【日時】2022年11月27日(日)14:00開演(13:40開場)

【会場】牧落倶楽部サロン

【料金】4,000円(消費税込)

【講師】大津留 厚

【演奏】有馬圭亮(左手のピアノ)

【曲目】グリーグ(ヴィトゲンシュタイン編)エレジー
    バッハ(ヴィトゲンシュタイン編)シチリアーノ
    バッハ(ヴィトゲンシュタイン編)シャコンヌ 他

     *プログラムは予告なく変更させていただく場合がございます。

当イベントは終了いたしました。お越しいただきました皆様、ありがとうございました。

 

講師:大津留 厚

東京大学大学院社会学研究科国際関係論専攻博士課程単位取得退学。
大阪教育大学助教授、神戸大学教授を経て、現在、神戸大学名誉教授。
国際学修士。
専門はハプスブルク近代史。

arima

演奏:有馬 圭亮(左手のピアノ)

左手のピアニスト。1989年生まれ。2010年、大阪教育大学在学中に局所性のジストニアを発症し、左手のピアノ曲の演奏を始める。2012年より左手演奏の普及、復興を目的とする「左手のアーカイブ」プロジェクトにて、片手演奏のための教材制作や音楽教室「ワンハンド・ピアノレッスン」での演奏指導、学習者のためのワークショップを行う。2020年東久邇宮記念賞を受賞。現在は民族音楽を中心に地域の文化の研究、作曲にも取り組んでいる。

【イベント】“ハプスブルク講座” ー 第5回「左手のピアニスト パウル・ヴィトゲンシュタイン」