当牧落倶楽部にポップスの大作曲家がやって来る‼︎という告知に、これまで牧落倶楽部のイベントに来てくださっているみなさまは少し驚かれたのではないでしょうか?そして12/11、ついにその大作曲家、松本俊明さんが来られました。松本さんはMISIAのEverythingを作曲された方です。Everythingが発表されてもう20年経つそうですが(‼︎)、全く色褪せることなく、今も世代を超えて愛され続けている国民的な歌ですよね。 ライブのプログラムはほとんどが松本さんの作られた曲で構成されていました。透明感あふれるクリアな音で淡々と弾かれる様はとても潔く、揺るぎ無い確固たる演奏でした。そしてその優しく美しい旋律はダイレクトに心に届き、その場に居た全ての人の琴線に触れたのではないでしょうか。作曲家自らの演奏を聴く意義に気付かされました。 プログラムの中に「お題いただきます」という、ご来場の方々からキーワードを募って即興で曲を作られる、というコーナーがありました。私の勝手な想像では、何十秒かの瞑想?黙考?の後、「整いました。」となり、おもむろに弾き出される…みたいなイメージを描いておりました。が、松本さんはキーワードを選ばれると、即、弾き始められたのです。本当に即!です。いとも易々と涼しいお顔で奏でられるので、すごいことを目の当たりにしているのに、それと気付かないほどでした。音の出る全ての瞬間が曲が生まれる瞬間だったのです。そこに立ち会うことができたなんて、なんという幸せでしょう! 即興と言えばモーツァルトがその名人だったと知られていますが、天才と言われる人は、どこか高い所から特別なメッセージを受け取れるのかもしれません。それを受け取れる器と純粋な魂を持っていて、もちろんそのためのとてつもない努力を怠らない選ばれた人。松本さんも作曲される時、自分で作っているとは思えない、どこかから降りてくる感じ、とおっしゃっておられました。天才は謙虚でもあるのですね。 松本さんは人からよく相談を受けられるそうなのですが、それもその優れたお人柄ゆえと頷けます。 今回のライブでもお客さまからの質問や相談にとても丁寧にお応えになられ、その親切心から時間が押しに押しました(笑)。とにかくお話が面白く、ライブは大盛り上がりのうちに幕を閉じました。 ジャンルには拘らない。好きなものは好き、いいものはいい。美しいものが好き。と言い切られる松本さん。優しさの中にもブレない強さをお持ちの本当に素敵な方です。そのような方だから多くの人を惹きつける名曲の数々を生み出すことができるのですね。 是非また牧落倶楽部に幸せな空気を運んできていただければ嬉しいです。ありがとうございました。 ライブからしばらく経ちましたが、ふと気付くと、〽︎ユアエ〜ブリ〜シ〜〜ング♪と口ずさんでいます(かなり調子っ外れですが)。そしてそういう時はきまってほっこりいい気分なのです。あのライブの時のように。
2021.12.11 松本俊明 特別ミニライブ ~はじめまして!~より