8/1、音楽の都ウィーンから木口雄人さんがはるばる当牧落倶楽部に来てくださいました!木口さんはウィーン国立音楽大学留学中の新進のピアニストです。今回のリサイタルはハイドン、ベートーヴェンからスクリャービン 、バーバーまでという幅広い魅力的なプログラムをご用意くださっているということで、スタッフ一同楽しみにお待ちしておりました。
14時開演‼︎いよいよ木口さんの演奏が始まると、彼の強靭な指で奏でられるクリアな音からソフトで繊細な音まで、そのダイナミックレンジの大きさに圧倒されました!一音一音がものすごく響くので残響が長く、いつもの小さなサロンなのにまるでホールで聴いているかのような錯覚を覚えるほどでした。
どの楽曲も素晴らしかったのですが、特に私の記憶に残ったのはスクリャービン の演奏です。つい先日、イタリアでのスクリャービン 国際ピアノコンクールで最高位を受賞され、ご本人が大好きとおっしゃるだけあり、思い入れの深さが窺い知れる名演奏でした。
スクリャービンさんという方は 「音の色」に相当こだわっていたそうで、’色光ピアノ’なる弾くと音の色が光る楽器(もちろん当時はそのような楽器は実在しなかった)での演奏を所望したというエピソードを読んだことがあるのですが、木口さんの演奏はまさに音がカラフルな光を放っているようで、これなら色光ピアノが無くてもスクリャービン さんもさぞ満足したであろうと思われました。
コロナの影響で実に2年ぶりの人前でのリサイタルだったとのことで、最後は感極まったご様子で、こちらも胸が熱くなりました。
木口さんは、とても頭脳明晰な秀才でいらっしゃるのですが、ユーモアのセンスもお持ちの素敵な方なのです。そして私のような一スタッフにまでリ◯ツのチョコレートをお土産にくださるその細やかな気配りに、すっかり心を掴まれた私なのでした。(←食べ物ですぐに懐柔される傾向あり)
今後ヴィルトゥオーゾとして、国内外でますますのご活躍を期待しております‼︎ありがとうございました。