6/27、当牧落倶楽部の1周年記念ということで、有馬圭亮 左手のピアノコンサートが行われました。緊急事態宣言の延長で当初予定から一週間延期での開催となり、お客さまには大変ご迷惑をおかけしましたが、なんとか本番までこぎつけることができました。さて、コンサートは穏やかな雰囲気の中、いつのまにか何となく始まりました。大きなホールのようなざわめきや緊張感はありませんが、このゆるやかさがサロン特有の空気感というものなのでしょうか。私たち関係者を含めても10人ちょっとという少人数で、どのお席からも演奏する手はもちろん、息遣いまで見える贅沢な空間でした。

そこに流れる音楽は一流の本物です。最初のプログラム、サン=サーンスの左手のための6つのエチュードが始まると、たちまちサロンは有馬さんの世界一色です。塩見允枝子/架空庭園第3番、バッハ=ブラームス/シャコンヌと続きました。二台のピアノを弾き分け、お話もはさみながらの演奏で、私はどっぷりと有馬ワールドに浸らせていただきました。力みのない完璧な奏法から紡ぎ出される素晴らしい響きと、暖かいお人柄が滲み出た素晴らしい演奏でした。お客さまのお一人が「途中から左手だけの演奏ということを忘れてました」とおっしゃっておられましたが、弾くなどという技巧を超えた音楽そのものがそこに存在していたのだと思います。

演奏後はサロンで、お客さまにもピアノを触っていただいたり、おしゃべりしたり、CDを流したり、、、同じ感動を分かち合った仲間同士という感じで、和やかなひとときとなりました。これぞサロンならではのお愉しみですね♪
作曲家の塩見允枝子先生にもお越しいただきました。しかも自転車で‼︎先生、本当にありがとうございました!

私にとって久々のコンサート鑑賞。自分でも気づかなかった心の渇きのようなものが、良い音楽によって潤されていくのを実感しました。

その後、実家に預けていた小学生の息子をバタバタと迎えに行き、一瞬で慌ただしい日常に引き戻されました。それでもコンサートの余韻のおかげか、ノンストップでしゃべり続ける息子の話も、いつもより優しく聞いてあげられたように思います。夕飯は社長にいただいたカツサンドで済ませようと目論みつつ、家路を急ぐ私なのでした。

一周年記念コンサート終わりました